九州大学小児科病棟でデザイナーと音楽家がコラボレーション

 九州大学の新病院にできた小児医療センターでは、白血病をはじめとした難病の子供達が入院しており、病気と一生懸命闘う日々を送っています。

 この病棟は、九州大学芸術工学研究院の佐藤優教授を中心とした福岡のデザイナーによって、小児科・小児外科等の小児患者のアメニティを考慮した設計となっています。センター内にはかわいい動物のイラスト、サインや遊具等を配する等、小児患者のアメニティ向上を目指したさまざまな試みがなされています。

 この佐藤教授の発案で、福岡で活躍するデザイナー達と福岡音楽団体連絡会の有志が協力して、子供達に様々な知識や感動を与える活動を始めることになりました。

 この、第1回目の取り組みが2006年12月26日に行われました。

 この日のタイトルは「年賀状を作ろう」で、11人の子供達とそのおかあさんたちが参加してくれました。

 福岡音楽団体連絡会からは、福岡青年音楽家協会の浦本順子さん(ソプラノ)、徳森 理香さん(ソプラノ)、 秦 久恵さん(ピアノ)の3人が、冬やお正月に因んだ歌を披露しました。また子供達と一緒に歌いました。この日配られた歌詞カードはデザイナー達がこの日のためにデザインしたものです。

                     

            

 年賀状は、画用紙にそれぞれが思い思いの絵を、色紙や千代紙のちぎり絵で描いてもらい、それをプロのデザイナーが本格的な年賀状に加工して、子供達にプレゼントするという試みです。

 正直言って、最初はどうなるかと思いましたが、子供達は本当に感性豊かで、イノシシ、海の底、桜、秋の風景、女の子などわずか30分の間に、面白い作品がたくさん描かれました。

    

 28日にはすごくかっこよくできあがったポストカードを子供達に渡すことが出来ました。

 子供達は自分の作品が素敵なカードに仕上がっている事にびっくりしたり、ちょっと恥ずかしそうだったりした、笑顔でいっぱいだったそうです。

 じつは、大変な病気の子達に1時間半もの長い時間、私たちの活動に参加させてしまい、当日、子供達が夢中になって後で熱などを出さないかと懸念していたのですが、幸いトラブルにはならなかったと御報告頂きホットしました。

 プライバシーなどの問題もあり、子供達の様子をホームページでご紹介できないのは残念ですが、点滴を受けながらの子、車いすの子、抗ガン剤の治療で頭髪が抜けてしまっている子など、参加してくれたのは必死で病気と闘っている子供達です。
 でも、その子達が、最初はとまどいつつ、そして素晴らしい歌声に少しづつ心を開き、年賀状づくりでは、デザイナー達がひとり一人につきっきりで一緒に作業をする中で本当に楽しそうにちぎり絵を楽しんでくれました。

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